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病態制御部門 消化管生理学分野


TEL 076-434-7641 / FAX 076-434-5066

[English] http://www.inm.u-toyama.ac.jp/en/departments/06_gp.html
[Japanese] http://www.inm.u-toyama.ac.jp/jp/departments/06_gp.html
[分野ホームページ] http://www.inm.u-toyama.ac.jp/ens/


教授 門脇 真
教授 門脇 真
助教 山本 武
助教 山本 武
助教 林 周作
助教 林 周作

研究概要

 本研究分野は、消化管疾患、特に腸管免疫性疾患の病因及び病態形成機序を分子レベル及び生体レベルで解明し、それに基づき和漢薬を含めた新規治療薬の創出を目指しています。

1. 潰瘍性大腸炎及び食物アレルギーモデルの病因及び病態形成機序の解明
2. 腸管免疫性疾患に対して治療効果を有する漢方薬(葛根湯、柴苓湯等)の作用機序の解明
3. 粘膜型マスト細胞の病態生理学的役割とその活性化制御機構の解明
4. 腸管粘膜免疫系(粘膜型マスト細胞等)と自律神経系のクロストークの解明
5. コリン性抗炎症・免疫機構及びPPARγによる抗炎症・免疫機構の解明
6. 腸管免疫寛容機構の解明と食物アレルギー治療薬への応用

 消化管は生体と外界とのインターフェイスであり、多くの外来抗原に絶えず暴露されています。そのため、病原微生物を排除しつつ必要な栄養素だけを吸収し、さらに食物抗原などに対しては免疫寛容を誘起するというような“非自己である異種抗原の排除と自己に対する寛容”を巧妙に操る腸管粘膜免疫系が発達しています。また、腸管は第三の自律神経系である腸管神経系を有し、中枢からほぼ独立して基本的な機能を発現することができる唯一の器官です。これらの免疫系と神経系は内分泌系と共に「腸管イントラネット」を形成し、緊密なクロストークをしながら生体の恒常性を精妙に維持しています。
 消化管生理学分野では、近年患者が急増してきている難治性腸管免疫性疾患である潰瘍性大腸炎及び食物アレルギーを対象疾患として、「腸管イントラネット」の破綻という視点も取り入れて、その病因・病態を解明し、それに基づき和漢薬・漢方薬を含めた有用な治療薬を創出することを目的としています。
 和漢薬は生体の恒常性の維持に重きを置く薬物治療体系であり、生体の最も重要な制御システムである神経系や免疫系は、必然的に和漢薬治療の大きなターゲットとなっています。従って、現代医療の中でも、消化管は和漢薬治療が比較的多く取り入れられている領域です。そこで、先端的研究技術を用いて、分子レベル及び生体レベルの両面から和漢薬の作用の科学的基盤を確立することは、経験則で行われてきた和漢薬治療に科学的なエビデンスを与えるとともに、和漢薬をベースとしたより有効な治療薬の開発を可能にすると考えています。


 
【キーワード】
  腸管免疫疾患、食物アレルギー、炎症性腸疾患、腸炎関連発癌、粘膜免疫系、腸管神経系、腸管イントラネット、神経−免疫クロストーク
   
図

食物アレルギーモデルマウスに対する葛根湯の効果、(中):病態モデルマウス結腸での粘膜型マスト細胞の増多、(右):葛根湯投与による粘膜型マスト細胞の増多の抑制、(左):正常対照マウスの結腸