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知の拠点セミナーのお知らせ



国立大学共同利用・共同研究拠点協議会
第8回「知の拠点セミナー
」 を和漢医薬学総合研究所が担当

開催日 : 平成24年5月18日(金) 17:30-19:30
会  場 : 京都大学東京オフィス(JR品川駅前インターシティー品川27階

        参加無料(事前申込必要)

タイトル : 和漢薬の効果を科学する


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平成24年5月18日(金)京都大学東京オフィスにて第8回知の拠点セミナーが開催されました。当日は多数の来場者を迎え、「和漢薬の効果を科学する」というタイトルのもと、済木所長、柴原教授による講演が行われました。また、会場内では生薬の展示や伏見資料館長による解説もあり、参加者の方からは質問が多数寄せられるなど大変活発な会となりました。


わが国の大学には、学部や大学院のほかに、研究所や研究センターがあります。研究所・研究センターは、学術研究の最先端を担い、各大学の個性といえる存在です。2010年4月から「共同利用・共同研究拠点」という国の制度が始まりました。現在、27の国立大学に、合計74の拠点(86施設)がありま す。
それらの拠点では、所属する大学の壁を越えて、全国の研究者と交流しています。

こうした共同利用・共同研究拠点が一体となって、毎月1回、第3金曜日の夕方に、東京・品川で、連続セミナーを開催いたします。
場所は、京都大学東京オフィス(JR品川駅前のインターシティー品川27階)です。

学問の最先端のようすを、広く一般の方々にお届けするとともに、その声を直接お聴きするのが目的です。東京オフィスは眺めもすばらしいです。サイエンスカフェ風のくつろいだ雰囲気のなかで、自由な談論のときをお過ごしください。
午後5時に受付開始、5時半に開演で、7時半に終了します。

国立大学共同利用・共同研究拠点協議会HPより)

saiki shibahara
済木育夫 所長・教授 柴原直利 教授

西洋医学においては、関節リウマチやアレルギー、更年期障害などといった「病名」が診断され、それに基づく治療が行われています。一方、漢方医学では四診(望診、聞診、問診、切診)とよばれる診断法に基づいて一人一人の患者の体質や症候を含む、いわゆる「証」を定め、患者ごとに応じた治療(個の医療という、西洋医学的にはテーラーメード医療)を行っています。すなわち、気虚、お血、水滞といった病態の診断を行うことにより、治療の方向性と使用する漢方薬が決定されています(これを方証相対という)。たとえば、血流の停滞に相当する微小循環障害およびそれに伴って発生する様々な病理学的変化や症候を、漢方医学ではお血と呼び、そのような病態が様々な疾患で見うけられます。

しかしながら、「証診断」には血液生化学検査のように、客観的な数値化された検査指標がなく、漢方医学の体系を熟知し、長年にわたる経験も必要とされることから、漢方を専門としない医師にはこの「証」の概念はつかみにくいのです。したがって、「証」が西洋医学的に理解されることが、漢方医学がより身近なものとなり、実際の治療に役立てることができるものと考えられます。

 

ここでは、生薬を組み合わせて処方し多成分からなる漢方薬の補剤である十全大補湯などの処方を用いたがんの転移抑制とその抑制の仕組みに関する基礎的な研究を紹介するとともに、漢方医学における証診断について、漢方薬を用いて治療した実際の臨床例を通して紹介することにより、漢方薬や漢方医学に対する理解を、さらに深めていただければと思っております。

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