生薬とは


  薬用となる植物,動物,鉱物の全体あるいはその一部を生のまま,
  または簡単な加工を施して,疾病の治療に用いた物質.
  天然由来の薬物で,広くは抽出エキスや医薬品原料となる天然物をも含む.
  日本薬局方・生薬総則の規定では,「生薬は動植物の薬用とする部分,
  細胞内容物,分泌物,抽出物又は鉱物などである」



生薬の由来 --- もともとは一地方の民族薬物であったものである.


民族薬物とは

  世界の諸民族が,自分たちの伝統医学(独自の医学体系をもつ)または
  伝承医学(口伝による)の基に使用している薬物という意味で,
  民族薬物と称する.
  薬物自体は生薬である.


生薬の分類 --- 伝統医学または伝承医学に帰属させて分類する

   漢薬(中国薬物)漢方または中国医学で使用される生薬
      (日本漢方と中国医学では基源などに若干の差異がある)
      例)人参,大黄,柴胡,麻黄,当帰


   アーユルヴェーダ薬物(インド薬物)アーユルヴェーダ(インド
           医学)で使用される生薬
      例)Amalaki (PHYLLANTI EMBRICAE FRUCTUS), Ashwagandha
        (WITHANIAE RADIX), Kuchala (STRYCHNI SEMEN)


   ユナニー薬物ユナニー(アラビア医学)で使用される生薬
      例)CARYOPHYLLI FLOS, CUBEBAE FRUCTUS


   ヨーロッパ生薬ヨーロッパで使用されてきた薬物(ハーブ)
      例)DIGITALIS, BELLADONNA, CENTAURII HERBA


   和薬(日本民間薬)日本民族が開発使用してきた薬物など。
      漢方薬に配合される日本産の生薬を含める場合がある。
      例)センブリ,弟切草,ゲンノショウコ,桜皮


   和漢薬漢薬と和薬を併せた呼称

  その他:チベット薬物,タイ古医学薬物,ジャムー(インドネシア),
  アフリカなどの諸民族の薬物がある.



生薬の原植物(原動物)

  生薬の基源となる植物(動物).生薬が作られる基の植物(動物).
  通常1生薬1原植物(原動物)であるが,異物同名品(生薬名は同じで
  あるが,別種の植物または動物に由来する)が多い生薬では,原植物
  (原動物)は数種類に及ぶ.


生薬の基源(基原)

  生薬の原植物(原動物)と薬用部位

薬用生物とは


漢方薬と民間薬の違い

   漢方薬漢方処方を指し,複数の生薬が一定の割合で調合される.
     医学大系の理論的母体がある(『傷寒論』など).
     漢方医という医者が患者を診断して投薬される.


   民間薬:単味である(1種類を使う).
     人類が疾病の治療に利用してきた生物で,薬用植物,薬用動物,
     薬用鉱物がある.生薬の資源になる生物.

    理論はなく言い伝え(伝承)による.
     身近な人から薬が与えられる.

小松 かつ子記

   

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