富山大学 和漢医薬学総合研究所


研究概要


研究目的
 神経機能学分野では、神経回路網が破綻することによって機能不全が永続あるいは進行する難治性神経変性疾患(主としてアルツハイマー病、脊髄損傷)をターゲットとして研究を行っている。神経回路網破綻のメカニズムと、それを改善させるストラテジーの鍵となる生体の分子メカニズムを解明することで、神経回路網が破綻した後からでもこれら疾患における神経機能を正常に回復させるような、根本的治療戦略としての“神経回路網再構築薬”の開発を目指している。 アルツハイマー病研究では、モデルマウスの記憶障害を顕著に改善する漢方方剤や生薬由来成分を見出している。さらに、これら伝統薬物由来の低分子化合物による新たなシグナリングの解析を、神経回路網再構築の鍵を握る分子を解明する視点で進めている。脊髄損傷研究では、モデルマウスの運動機能障害を顕著に改善する薬物を、伝統薬物の解析をもとに発見してきた。例えば新規化合物デノソミンは、ニューロン、アストロサイト、マイクログリアなど様々な細胞に対して、運動機能改善に寄与するような質的変化を与える。現在我々は、その多面的で新しい作用機序に、多層的・動的実験手法で迫っている。 このように、伝統薬物研究と神経科学を融合させ、創薬と病態解析へ展開させる独創的で有益なアプローチとして「伝統薬物-based 創薬」を提案し実践している。

研究目的
1. 中枢神経における神経ネットワーク再構築を促進する分子機序の包括的解明
2. 伝統薬物-based創薬による、アルツハイマー病および脊髄損傷に対する根本的治療薬の研究
3. アルツハイマー病および脊髄損傷において軸索再生不全となる分子機序の解明

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