富山大学 和漢医薬学総合研究所


神経機能学領域について

 神経機能学領域は、2017年4月より、東田千尋が教授を務めています。

 2010年に当研究室が立ち上げられて以来、一貫して、神経変性疾患や老年性疾患の克服を目指した研究を実施しています。難治知性疾患に対する画期的な治療薬を見出すことと、病態を制御する因子の解明を目標に、薬理学、神経科学、和漢薬学などの多面的に取り組み、以下の2項目を旗印に、基礎研究から臨床研究まで、幅広い視点で研究を進めています。


  ①和漢薬研究による「Unmet medical needsを克服する新しい治療薬の開発」を加速させ、 成果をヒトに届ける

  ②和漢薬研究による、新しい生理機能の発見、および新しいカテゴリーの治療薬の開発

 

 

教授からのメッセージ

 

 顕微鏡で初めて目にした神経細胞の形態の美しさと、その仕組の謎の奥深さに魅かれて、私は研究の道に入りました。神経細胞の機能を知るための研究をするうちに、自分が生涯をかけてやりたいことは、神経が障害されて起きてしまう難治性疾患を“治療する研究”をすること、そして実際に治療薬を生みだすことにまで繋げること、と強く思うようになりました。富山大学の和漢医薬学総合研究所に蓄積されている、バラエティーに富んだ薬物・知識を活用して、これまでにいくつかの有望な薬物を見出すことができ、さらにそれによって、これまで知られていなかった生体側の機能も示すことができました。
 私たちは、和漢薬の大きな特長である有効性と安全性を生かして、新しい薬つくりに向かって、基礎研究と臨床研究を進めています。大学での基礎研究を、臨床研究、そして製品開発にまで繋げるには、幅広い視点と俯瞰的戦略、そして実行力を支えるための意志と柔軟さが必要です。また、和漢薬の有効性を生かす新たな道筋として、植物性医薬品の承認基準が整備・活用され始めていることはこの研究にとっての追い風です。
 新しい道を拓く研究をしたい、優れた薬効を多くのヒトに届けたいという想いを、ラボの素晴らしいメンバーたち、多くの共同研究者の方々と共有し、目標に向かって歩んでいます。

 

       教授 東田千尋
                              

最近の主要論文でわかる当分野の研究

東田 千尋 教授の論文:Mol Psychiatry, J Cachexia Sarcopenia & Muscle, J Neurotrauma, Nutrients

楊 熙蒙 助教の論文:Mol Psychiatry, Mol Neurobiol, Scientific Reports, Frontiers in Pharmacology

稲田 祐奈 助教の論文:Int J Envioron Res Pub Health, Nutrients

久保山 友晴 (元助教)の論文:Scientific Reports, JOVE

 

井城 綸沙(博士後期課程1年時): J Cachexia Sarcopenia & Muscle

谷江 良崇(博士後期課程2年時)の論文:Frontiers in Pharmacology

田辺 紀生(博士後期課程3年時)の論文:Frontiers in Pharmacology

楊 志友(博士課程4年時)の論文:Frontiers in Pharmacology

執行 美智子(博士後期課程3年時)の論文:Scientifc Reports, Scientific Reports

久保山 友晴(元助教)の論文:Neurobiology of Aging

東田 千尋PIの論文:Scientifc Reports

東田 千尋PIの論文:Scientifc Reports

勅使川原(元ポスドク)の論文:British Journal of Pharmacology