富山大学和漢医薬学総合研究所及び長崎大学熱帯医学研究所は，「熱帯医学と和漢薬研究の新展開―新しい医療体系の構築をめざして」をテーマとして2010年度から毎年，交互に自身の大学に両研究所の研究者を招いて交流セミナーを開催し，研究者同士の交流を図っています。去る1月27日，第11回交流セミナーが開催され，両大学の研究者及び学生53名が参加しました。今年度は新型コロナウィルス感染症拡大防止のため，全面オンラインで開催しました。
はじめに富山大学早川芳弘和漢医薬学総合研究所長及び長崎大学森田公一熱帯医学研究所長から開会の挨拶があった後，6名の研究者が「Space environments reprogramming the cardiac lipid fuel system beyond generations」（富山大学金 俊達准教授），「腸炎ビブリオの宿主細胞認識・応答機構の解析」（長崎大学児玉年央教授），「線維芽細胞による乳がん骨転移促進機構の解明」（富山大学佐々木宗一郎助教），「インフルエンザRNAポリメラーゼ蛋白質間相互作用を標的とする創薬研究」（長崎大学水田賢志助教），「2-オキソグルタル酸依存性酸化酵素の選択的阻害剤の開発」（富山大学中嶋優助教），「The Discovery of herbal drugs and natural compounds as inhibitors of SARS-CoV-2 infection in Vitro」（長崎大学MYA MYAT NGWE TUN助教）のタイトルで研究発表を行いました。それぞれの発表に対し，実験結果から導き出される新たな発見や今後の研究展開等に対する質疑応答が行われ，両研究所教員が相互の研究内容に対する理解を深め，非常に有意義なセミナーとなりました。
このセミナーは来年度以降も継続し，熱帯医学と和漢医薬学という異なる分野間での研究者の交流や共同研究を通じて，新たな研究の展開や医療への貢献を目指しています。