研究領域

未病分野 ユニット

研究概要

日本の伝統医学(漢方医学)で未病として知られている疾病前状態は、東洋医学の概念であり、いまだ科学的に理解されていません。当分野では、発症過程における遺伝子、タンパク質、行動などの生体情報のゆらぎや発現変化を解析し、未病の状態を科学的に検出し、その生物学的意味を明らかにする研究を、富山大学未病研究センターと共同で行っています。メタボリックシンドロームなどの複合疾患の著しい増加に基づいて、現代の医薬品だけを使用してそれらを治療することは困難な状況です。疾病状態を標的とする現代の医薬品による治療とは対照的に、未病を標的とする医薬品は、予防および先制医療における大きな潜在的利点を持っている可能性があります。そのため、未病に対する医薬品の開発、ひいては新たな医療戦略に取り組んでいきます。

 

研究内容

  1. 未病バイオロジーの深化
    1. 生体情報のゆらぎの理解と医療応用
  2. 未病創薬
    1. グルタミナーゼ阻害剤の開発と疾患への医療応用
    2. 漢方薬から発見した免疫活性化ナノ粒子(ナノソーム)の機能解明とその医療応用
    3. 漢方薬から発見した植物性の免疫活性化核酸断片(BiND)の機能解明とその医療応用
    4. 腸管免疫性疾患の病因及び病態形成機序の解明ならびに治療および発症予防(未病創薬)のために有効な薬物の探索とその医療応用



担当教員

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