病態制御分野 生体防御学領域
ユニット
研究概要
本領域では生体防御機構に関わる免疫・炎症・代謝についての研究、病態における生体防御機構の役割に関する研究、和漢薬の生体防御機構に及ぼす効果に関する研究を基幹とします。生体防御システムを制御して疾患の発症予防や疾患の進展を阻止しうる薬効を生薬エキス、漢方方剤、天然物由来化合物、食物由来成分等から探索し、それらを活用して予防先制医療へと応用することを目指します。
研究内容
以下の2つの研究ユニットで生体防御機構に関する多様な研究テーマについて取り組みます。
・がん・免疫ユニット: 免疫疾患(がん・炎症・アレルギー病態)の制御について、生体防御に重要な自然免疫細胞に着目して研究します。特にナチュラルキラー(natural killer: NK)細胞のバイオロジーや疾患制御における重要性について研究を行います。さらに、がん進展における免疫応答の役割について、病態モデルやin vivoイメージングを用いた解析に加えて、和漢薬による免疫疾患の制御に関する研究を行います。
・脂質代謝ユニット: これまで脂質研究ユニットでは、和漢薬が腸管内で起こる様々な生理現象や炎症性病態に影響することを動物実験にて明らかにしてきました。一方腸管内の胆汁酸や遊離脂肪酸は、腸管上皮細胞に発現する受容体を介して、様々な生体防御機能を制御するペプチドホルモンの産生を誘導することが知られています。そこで私たちは、上記の和漢薬の様々な作用が、腸管内の胆汁酸や遊離脂肪酸の代謝制御によって生じるのではないかと仮説を立てました。私たちは腸管内の胆汁酸や遊離脂肪酸の網羅的解析とそれらによって誘導される腸管上皮細胞応答の解析をとおして、新しい和漢薬の作用機構を解明することを目指します。